仕事を求めてキャサリンへ。迎えに来るはずの人が、いつまで経っても来ない
エアーズロックで仕事を探していた私。
ところが、オンラインで応募した仕事は不採用。
「このままでは、お金がなくなる……。」
そう焦った私は、仕事を探すのと並行して、別のファームジョブも探していました。
そして見つけたのが、キャサリンのファームの仕事。
紹介してもらえることになり、
「もう、どこでもいい。仕事ができるなら行こう。」
そう思った私は、紹介料を払い、急いで移動することにしました。
エアーズロックからアリススプリングスへ。
そこからグレイハウンドの長距離バスに乗り、キャサリンへ向かいます。
窓の外に見えるのは、ひたすら続く赤土と乾燥した大地。
同じオーストラリアでも、シドニーとはまったく違う景色です。
疲れ切っていた私は、いつの間にか眠っていました。
そして――
ようやく、キャサリンに到着。
🚌 キャサリンに到着。まず聞いたのは「Good day!」
キャサリンについて
【基本情報】
- 人口:約1万人(町中心部)※広域で約2万人
- 面積:町単体は約7,400k㎡(宮崎県と同等)/周辺の「キャサリン地方」全体は約34万〜40万k㎡(日本全体がすっぽり入る広さ)
- 位置:州都ダーウィンから南へ約320km(車で約3時間半)
長いバスの旅を終え、グレイハウンドの大きなバスを降りました。
運転手さんからスーツケースを受け取ったとき、
「Good day!」
と声をかけられました。
今でも、このときのオーストラリアらしい「Good day!」が妙に記憶に残っています。
「私、オーストラリアにいるんだなぁ。」
そんなことを思いながら、スーツケースをゴロゴロ引いて歩きます。
向かったのは、すぐ近くにあるWoolworths(ウールワース)。
Woolworthとは
オーストラリア各地にある大手スーパーマーケットチェーンです。
食料品や日用品など、生活に必要なものを幅広く購入できます。
ここが、エージェントから指定されていた待ち合わせ場所でした。
「ファームの人が迎えに来てくれます。」
そう聞いていたので、
「あとは待っていれば大丈夫。」
そう思っていました。
……このときまでは。
🚶♀️ 「入り口のど真ん中なら、絶対見つかるよね?」
私は、できるだけ見つけてもらいやすいように、
スーパーの入り口のど真ん中で
待つことにしました。
スーツケースを横に置いて、
「ここなら絶対に見つけてもらえる。」
そう思っていました。
ところが――
来ない。
……来ない。
…………
全然来ない。
「まだかな?」
「道に迷っているのかな?」
最初はそんなに気にしていませんでした。
ところが、時間が経つにつれて、だんだん不安になってきます。
しかも私は、キャサリンに来たばかり。
土地勘はゼロ。
英語もまだまだ。
そして、携帯電話の充電もかなり危ない状態。
そんな私に、今度は現地の人たちから声をかけられました。
お金をくれないか、と言われたのです。
当時の私は状況もよく分からず、
「怖い……。」
と感じました。
その場にいるのが怖くなり、私はスーパーの入り口から離れることにしました。
🔋 今度は「そこで充電するんじゃない」
スーパーにつながる通路のような場所へ移動し、私は携帯電話を充電することにしました。
とにかく携帯が使えないと困ります。
迎えが来ない。
連絡も取れない。
地図も見られない。
だから、なんとか充電しなければ。
そう思って充電できる場所を見つけ充電していると……
誰から注意されました。
「そこで充電するんじゃない。」
「俺が店の人だったら嫌だね。」
確か、そんなことを言われたと思います。
……怒られた。
「すみません!」
と、私は一目散にその場から逃げました。
そして向かったのは――
🍟 マクドナルド。
「もう、ここしかない!」
マクドナルドなら無料Wi-Fiがある。
充電もできる。
携帯を充電しながら、Wi-Fiにつなぎ、必死にエージェントへ連絡しました。
「迎えはどうなっていますか?」
すると返ってきたのは、
「迎えが行くはずです。」
という返事。
……。
「いや、それは分かってるんですけど……来てないんです。」
心の中で、そう叫びました(笑)。
仕方がないので、私はもう一度Woolworthsへ戻ることにしました。
🌇 夕方になっても、迎えは来ない
さっき声をかけてきた人たちがまだいたらどうしよう。
そんな不安を抱えながら戻ってみると、幸い、もういませんでした。
「よかった……。」
そして、また待ちます。
待って。
待って。
ひたすら待って。
気がつけば、もう夕方。
「さすがに、そろそろ来てくれないと困るな……。」
疲れました。
長距離バスに揺られ、スーツケースを持って歩き、知らない土地でずっと待っている。
しかも――
その日の宿泊先すら決まっていません。
本来なら、迎えに来てくれたファームの人が宿泊先へ案内してくれる予定だったからです。
つまり、この時点の私は、
仕事 → まだない
宿 → ない
迎え → 来ない
英語 → うまく話せない
という、なかなか絶望的な状況でした。
「どうしよう……。」
そんなことを考えていたときでした。
🚗 「Are you okay?」
突然、オーストラリア人のカップルが話しかけてきました。
「Are you okay?」
そして、
「Where are you going?」
と。
私は、つたない英語で必死に事情を説明しました。
「ファームで働く予定で……。」
「迎えに来るはずなんですけど……。」
「まだ来なくて……。」
すると、そのカップルは私の話を聞いて、
「とりあえず乗せていってあげるよ。」
という感じで、車に乗せてくれることになりました。
……。
もう、本当にありがたかったです。
見ず知らずの私を助けてくれたのです。
今思えば、もし悪い人だったら……と考えると少し怖くなります。
でも、その時はなぜか「この人たちは大丈夫」と感じたんです。
きっと、あの時は第六感が働いていたのかもしれません。
🏨 その日の宿すら決まっていない
ところが問題は、まだあります。
私はその日の宿泊先を予約していませんでした。
というより、
予約する必要がないと思っていたのです。
ファームの人が迎えに来て、宿泊先まで案内してくれる予定だったから。
でも、そのファームの人は来ない。
仕事もまだ正式には決まっていない。
さて、どうする?
もう、その場で自分で決めるしかありません。
私は適当に宿を一つ選び、
「ここにします。」
と決めました。
そして、そのカップルにそこまで送ってもらいました。
本当に優しい人たちでした。
そのとき、名刺をいただいたので、後からメールでお礼を伝えようとしたのですが……
なぜかメールを送ることができませんでした。
今でも、
「もう一度会えたら、ちゃんとありがとうと言いたい。」
と思っています。
🇯🇵 「あら、日本人の女の子が泊まっているわよ」
ようやく宿に到着。
受付のおばちゃんに事情を話していると、突然、
「あら、日本人の女の子が泊まっているわよ。」
と言われました。
そして、
「一緒に入る?」
と。
私は即答。
「お願いします!」
だって、今の私に必要なのは、
情報です。
仕事のこと。
ファームのこと。
宿のこと。
そして何より――
日本語で話せる人!!
一刻も早く、誰かと話したかった。
そして案内された部屋へ向かいます。
ドアを開けると――
「あれ……?」
部屋の中に、見覚えのあるものがありました。
🧴 まさか、ここでフィジーを思い出すとは
そこにあったのは、
Noni(ノニ)のハンドクリーム。
「……え?」
思わず二度見。
このクリーム、知ってる。
フィジーにいた頃、私が気に入って使っていたものと同じでした。
「えっ……。」
「この人もフィジーから来たのかな?」
仕事を求めてフィジーからオーストラリアへ。
そして今、私はキャサリンで途方に暮れている。
そんなところで、まさかのフィジーを思い出させるNoniのクリーム。
偶然なのか。
それとも、何かの縁なのか。
そして、この女性との出会いが――
キャサリンでの私の生活を大きく変えていくことになります。


コメント